日銀相場の色合い 2024年08月30日 14時58分

ソニーフィナンシャルグループ金融市場調査部長・渡辺浩志氏
 これまで密接に連動してきた日米株だが、両国の金融政策の方向性の違いが明確になり、乖離(かいり)が出ている。7月末以降の日銀のタカ派姿勢を受け、政策自体が株式市場の重しとして認識された。日銀相場の色合いだ。
 この先、米利下げと日銀の利上げで円高が進めば、日本株は上値が重くなる。日経平均株価は8月5日の急落からの自律反発が一服し、米株に対して出遅れるだろう。
 今後だが、12月に日銀の追加利上げを見込み、年末の為替レートは1ドル=142円を予想する。その場合、年末の日経平均株価は3万7000円程度か。日銀がタカ派姿勢を緩和すれば、円安方向に動き、4万円台回復もあり得る。
 いずれも米経済のソフトランディング(軟着陸)が前提だ。米国の雇用悪化や、日銀の積極的な金融引き締めがあれば、下振れ要因になる。保護主義を掲げるトランプ前米大統領の再選リスクも気がかりだ。

日銀(最新10件)