〔NY石油〕WTI小反落、71.92ドル=週間では9.38%高(20日) 2024年09月21日 05時13分

 【ニューヨーク時事】週末20日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅利下げを好感した買いが一服し、小反落した。米国産標準油種WTIの中心限月10月物は前日清算値(終値に相当)比0.03ドル(0.04%)安の1バレル=71.92ドル。週間では6.17ドル(9.38%)上伸した。11月物の清算値は0.16ドル安の71.00ドル。
 FRBは18日、通常の2倍に当たる0.5%幅での利下げを決定。金利低下が米景気を下支えし、エネルギー需要拡大につながるとの期待が広がり、相場は19日に1%超高となった。20日は上げ一服状態となったあと、中盤以降は、10月物の納会に伴う売り買いが中心となったもよう。ただ1ドル余りの狭いレンジ内の値動きに終始した。
 市場では、強気と弱気の見方が交錯している。中東情勢の一段の深刻化が供給混乱を招くとの懸念が再燃。イスラエル軍が20日、レバノンの首都ベイルートを空爆したと発表。
イスラエルのメディアによると、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの軍事幹部イブラム・アキル氏が標的だったという。
 市場関係者の間からは、FRBの大幅利下げによる原油需要への波及効果が出るまで時間がかかると指摘する声も聞かれた。また、米経済がソフトランディング(軟着陸)を達成するとの見方が広がる一方で、雇用悪化への不安は払拭されていない。加えて、中国の景気減速に伴う石油需要の先細り観測もなお、投資家心理の重しとなっている。
 ▽ガソリン=8営業日ぶりに反落した。中心限月10月物の清算値は2.36セント安の1ガロン=203.64セント。
 ▽ヒーティングオイル=5営業日ぶりに反落。10月物の清算値は1.05セント安の1ガロン=216.15セント。

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