史上最大の魚竜か=2億年前の新種化石発見―推定体長25メートル・英国 2024年04月20日 05時17分
英南部ブリストル西方の海岸から、三畳紀末に近い約2億200万年前の魚竜化石が見つかり、新属新種に分類された。マンチェスター大などの研究チームが20日までに米科学誌プロスワンに発表した。魚竜は海に生息した爬虫(はちゅう)類。見つかった化石は下顎の骨の一部だが、近縁種と比較した結果、体長は推定約25メートルで、史上最大の魚竜の可能性があるという。
学名は、化石発見場所に近いセバーン川の巨大魚竜を意味する「イクチオティタン・セベルネンシス」と名付けられた。2016年と20年に同種の顎化石がそれぞれ見つかっており、20年に発見した化石愛好家の父娘が研究チームに参加した。
魚竜は三畳紀前期に陸上の爬虫類が海に進出して出現。急速に大型化し、三畳紀末に生物が大量絶滅する直前にピークを迎えたと考えられている。
体長約25メートルは、現代のシロナガスクジラ(哺乳類)に匹敵する。新種の頭骨や全身骨格の化石が今後見つかれば、脊椎動物が海で巨大化した際、限界を決める要因を探る手掛かりになるという。
魚竜は三畳紀末の後、ジュラ紀や白亜紀前半も存続したが、体が小さくなり、陸上で繁栄した恐竜より早く、約9400万年前に姿を消した。