イスラエル参加で論争の舞台に=欧州音楽祭が閉幕―スウェーデン 2024年05月12日 14時08分

11日、スウェーデン・マルメで、音楽祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」へのイスラエル参加に抗議するデモ参加者ら
11日、スウェーデン・マルメで、音楽祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」へのイスラエル参加に抗議するデモ参加者ら

 【マルメ(スウェーデン)時事】スウェーデン南部マルメで開かれていた欧州最大の国別対抗の音楽祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」は11日、決勝が行われ、スイス代表が優勝し幕を閉じた。パレスチナ自治区ガザに侵攻するイスラエルの参加が大きな波紋を呼んだ今大会。「文化の祭典」は国際情勢を巡る論争の舞台と化した。
 11日午後、決勝会場に近いマルメ中心部。広場ではイスラエル参加に抗議するデモが行われ、パレスチナ旗や横断幕を掲げた人々が多数集まった。「パレスチナに自由を」と口々に叫んで市内を行進。隣国デンマークから来たマシュー・シモンズさん(62)は「イスラエルを加えることは(ガザでの)虐殺を積極的に支えるのと同じ。毎年大会を楽しみにしているが、今年は見ない」。マルメ出身でパレスチナ系移民3世のシリンさん(30)も「ウクライナに侵攻したロシアを出場停止にしたのと同様に対処すべきだ」と不満をぶつけた。
 7日開幕した大会では、計37カ国を代表するアーティストが競い合った。渦中のイスラエル代表エデン・ゴランさんは、批判にめげず決勝に進出。パフォーマンスの最中、会場からはブーイングと声援の両方が上がった。
 ユーロビジョンの主催者は一貫して中立的立場を唱え、政治色排除に努めてきた。しかしガザ情勢が深刻化する中、イスラエル参加問題は終始暗い影を投げ掛けた。今大会の公式テーマは「音楽で団結しよう」だが、デモ参加者らは「ユーロビジョンは虐殺(の容認)によって団結した」と皮肉った。 

その他の写真

11日、スウェーデン・マルメで、「ユーロビジョンは虐殺を祝っている」と抗議のプラカードを掲げるデモ参加者
11日、スウェーデン・マルメで、「ユーロビジョンは虐殺を祝っている」と抗議のプラカードを掲げるデモ参加者

海外経済ニュース