米報道、数日内のラファ侵攻可能=国連の国際職員、攻撃で死亡 2024年05月14日 14時47分

 【ワシントン、カイロ時事】米CNNテレビ(電子版)は13日、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ最南部ラファ周辺に部隊を集結させており、数日内の本格侵攻が可能になったとするバイデン米政権の分析を報じた。イスラエルが既に侵攻の決定を下したかは不明だという。
 ラファ侵攻については、米政権が要求する避難民の退避や市民保護の計画が示されておらず、米側は自制を求めている。バイデン大統領はこれまでに、イスラエルが本格侵攻に踏み切れば武器供与を停止すると警告。サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)も13日の記者会見で、本格侵攻について「多くの市民を危険にさらすのは誤りだ」と改めてけん制した。
 一方、米紙ニューヨーク・タイムズは12日、米当局者の話として、イスラム組織ハマスのガザ地区トップ、ヤヒヤ・シンワル氏がラファではなく南部ハンユニスの地下トンネルに潜んでいる公算が大きいと報道。事実であれば本格侵攻の「根拠を崩す可能性」(同紙)があると指摘した。
 ラファでは13日、国連職員を乗せた車両が攻撃され1人が死亡、1人が負傷した。インド外務省当局者によると、死亡したのはインド人男性で、昨年10月の衝突以降で国際職員が犠牲になるのは初めて。
 イスラエルとハマスのどちらが攻撃に関与したかは明らかになっていない。グテレス国連事務総長は「人道支援従事者は保護されなければならない」と強調し、改めて即時停戦を求めた。 

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