中国EV、制裁関税100%に=引き上げ対象2.8兆円相当―米政権 2024年05月14日 18時04分
【ワシントン、北京時事】バイデン米政権は14日、中国製の電気自動車(EV)や半導体、鉄鋼などに対する制裁関税を大幅に引き上げると発表した。通商法301条に基づく措置で、180億ドル(約2兆8000億円)相当が対象。EVは現行の4倍に当たる100%とし、鉄鋼やEV用電池、太陽電池なども引き上げる。バイデン大統領は産業保護策や対中強硬姿勢を打ち出すことで、再選を目指す11月の大統領選に向けて支持拡大を狙う。
政権は、中国が巨額の補助金などによって「人為的に低価格にした製品を世界市場にあふれさせ、他国を犠牲にしている」(政府高官)と非難し、対抗措置の必要性を強調。知的財産権の侵害などが続いているとも指摘した。引き上げ対象以外の品目は、原則として関税を据え置く。
一方、中国商務省は報道官談話で「断固反対する」と米国を批判。撤回を求めるとともに、「自国の権利と利益を守るため、強力な措置を取る」と強調し、対抗措置の発動を示唆した。米中の対立激化は必至だ。