「ワンピース」旗巡り騒動=政権批判で独立記念日に掲揚?―インドネシア 2025年08月07日 06時03分

【ジャカルタ時事】インドネシアで17日の独立記念日に向け、日本の人気漫画「ワンピース」に出てくる主人公ルフィの海賊旗を掲げようという呼び掛けがSNSで拡散されている。政権批判の意味を帯びつつあり、政府は国旗と並んで掲揚すれば「反逆罪で起訴される可能性がある」と警告しているが、事態が収拾に向かう気配はない。
同国では、政府が資金洗浄(マネーロンダリング)防止のため進めている3カ月間取引がない銀行口座の凍結や、土地の有効開発を目的とした2年間使用されていない土地の没収が不評を買っている。雇用不安なども相まって、国民のプラボウォ政権への反発が高まりつつある。
ルフィは自由を愛し、抑圧者や腐敗と闘うキャラクター。地元紙によると、あるNGO団体の代表は海賊旗運動について「政権批判の象徴としてどくろがデザインされたワンピースの旗が使われているが、表現の自由は尊重されるべきだ」と話している。地元の縫製工場では、ルフィの海賊旗の注文が急増している。