日立、対米投資を拡大へ=鉄道車両工場が本格稼働 2025年09月09日 10時05分

【ワシントン時事】日立製作所の徳永俊昭社長兼最高経営責任者(CEO)は8日、同社として北米最大の鉄道車両工場稼働に合わせて米東部メリーランド州で記者会見し、対米投資を拡大する方針を示した。2024年までの5年間で120億ドル(約1兆7500億円)以上を米国で投資したとして、30年ごろまでに「同等、あるいはそれ以上の投資をしていきたい」と強調した。
トランプ米大統領は製造業の復活を掲げ、高関税を発動した。米国進出企業にとっては部品の輸入などでコストが膨らむ一方、日立は世界各地で現地調達を進めている。ただ、徳永氏は「関税がもたらす世界経済のインパクトを心配している」と述べ、顧客がデジタル投資などを手控える動きに懸念を示した。
日立は8日、同州の鉄道車両工場を本格稼働した。投資額は約1億ドル。月20両の車両を製造し、首都ワシントンを走る地下鉄などに納入する。
最新のデジタル技術を活用した四足歩行ロボットを初めて導入した。品質検査用の「イヌ型ロボット」が製造過程の車両の傷の識別などで活躍。各工程で必要となる部品などの運搬でも最先端技術を駆使する。
ワシントン首都圏交通局のクラークCEOは時事通信などの取材に、納入された車両を27年後半から試験的に導入し、28年から本格運行を始めると明らかにした。
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