春闘賃上げ率、中小4.69%=全体も33年ぶり5%超維持―人手不足が押し上げ・連合中間集計 2024年04月04日 16時17分
連合が4日発表した2024年春闘の中間回答集計(第3回)で、基本給を底上げするベースアップと定期昇給を合わせた賃上げ率(加重平均)は5.24%(月額1万6037円)となり、過去の最終集計に比べ33年ぶりの高水準を維持した。焦点となる300人未満の中小組合は4.69%(1万2097円)と、第2回の4.50%(1万1916円)を上回った。
今回の集計には3月末までに妥結した中小労働組合の結果が多く反映されており、人手不足に苦しむ運輸や流通業などを中心に中小労組にも賃上げの波が波及した形だ。
4月2日時点で、傘下の労組のうち賃上げ要求を提出した組合のおよそ半数に当たる2620組合が経営側から受け取った回答を集計した。組合員1000人以上の大手の賃上げ率は5.28%(1万6622円)だった。
連合の芳野友子会長は4日の記者会見で、「中小事業者にとっては人材不足の問題が非常に大きい。人の流出に歯止めをかけるためにも賃上げが必要との認識があるのではないか」と分析。多くの中小労組が交渉を続けており、「この賃上げの流れを継続することに力を注ぎたい」と強調した。
流通や外食などの産業別労組UAゼンセンも4日、3月末時点の妥結状況を公表した。正社員の賃上げ率が平均5.49%(月額1万6446円)、パート従業員は時給平均6.11%(66.7円)となり、9年連続でパートの引き上げ率が正社員を上回った。同日会見したUAゼンセンの松浦昭彦会長は「働き方による格差の是正はある程度実現できている」との見解を示した。