空港や刑務所にも「トランプ」?=米与野党、改称法案で応酬 2024年04月20日 05時05分
【ワシントン時事】「トランプ空港」に「トランプ刑務所」―。米下院で与野党が、公共施設にトランプ前大統領の名前を冠する法案をそれぞれ提出した。トランプ氏を支持する野党共和党が空港の名称変更を求めると、与党民主党は刑務所の改称を主張。トランプ氏が返り咲きを目指す11月の大統領選をにらみ、応酬を繰り広げている。
共和党議員らは2日、ワシントン近郊の「ワシントン・ダレス国際空港」を「トランプ国際空港」に改める法案を提出した。ダレス空港は首都の「空の玄関」で、アイゼンハワー政権のダレス元国務長官に由来。変更はトランプ氏のイメージアップを狙ったもので、レッシェンターラー議員は「自由と繁栄、強さの象徴だ」と訴えた。
これに対し民主党議員らは5日、フロリダ州マイアミの刑務所「マイアミ連邦矯正施設」を「トランプ連邦矯正施設」に変更する法案を提出した。こちらはイメージダウンが狙いで、ダレス空港があるバージニア州選出のコノリー議員は「共和党議員が空港を改称する法案を提出した時、(名前を冠するなら)刑務所の方がふさわしいと思った」と皮肉った。
トランプ氏は四つの刑事事件に直面している。トランプ氏の私邸に近いこの刑務所は、前政権で通商担当の大統領補佐官を務め、退任後に議会侮辱罪で禁錮刑判決を受けたピーター・ナバロ受刑者が収監されている。
米議会は共和党が下院の多数派を握る一方、上院は民主党が優位の「ねじれ状態」。このため、どちらの法案も両院を通過する可能性は低い。トランプ氏はSNSで、空港改称案に「とても光栄だ」と喜んだが、刑務所改称案には言及していない。