ウクライナ北東部「突破の試み」=ロシア軍が攻撃強化、1キロ侵入 2024年05月10日 22時05分
【ベルリン時事】ウクライナ当局は10日、北東部ハリコフ州でロシア軍が地上攻撃を強化し、防衛線の「突破を試みた」と発表した。進軍は止まったという。現地メディアなどが伝えた。武器不足で劣勢に立つウクライナは、ロシアが近く大規模な攻撃を仕掛けると警戒していた。
国境に近接する町ボルチャンスクが標的になったもよう。ロイター通信によると、ウクライナ軍高官は国境の内側1キロまで押し込まれたと明かした。ウクライナメディアは、国境沿いの4集落が掌握されたと報じた。ウクライナ軍は兵士を増員して対応。ロシア軍が占領を狙う新たな戦線となる可能性がある。
ウクライナのゼレンスキー大統領は10日の記者会見で、「午前7時から8時に激しい砲撃戦が起きた。その時点で攻勢はやんだ」と述べた。ハリコフ州のシネグボフ知事は、通信アプリ「テレグラム」で、ウクライナ軍は「陣地を堅持しており、1メートルも失っていない」と主張し、挑発的な動きにすぎないと指摘した。
シネグボフ氏によると、国境地域では砲撃により、少なくとも民間人2人が死亡、5人が負傷した。住民は退避を余儀なくされている。