米軍、台湾周辺での活動活発化=中国けん制で合同演習 2024年05月15日 08時45分

8日、台湾海峡を通過する米ミサイル駆逐艦「ハルゼー」=米海軍提供(AFP時事)
8日、台湾海峡を通過する米ミサイル駆逐艦「ハルゼー」=米海軍提供(AFP時事)

 【ワシントン時事】米国と台湾の両海軍がひそかに合同演習を行っていたとの14日のロイター通信報道で、米軍が台湾周辺で活動を活発化させていることが明らかになった。20日の頼清徳氏の台湾総統就任を控え、台湾の武力統一も辞さない姿勢を示す中国をけん制する狙いがあるとみられる。
 報道によると、合同演習は4月に西太平洋で実施された。数日間にわたり、両軍の艦艇などが参加したが、双方がこれを公式には認めず「偶然居合わせた」と主張する暗黙の了解があるという。米国防総省のライダー報道官は14日の記者会見で「われわれは長年『一つの中国』政策を維持している」と強調した上で、「特定の作戦についてのコメントはない」と言及を避けた。
 8日には米軍のミサイル駆逐艦が台湾海峡を通過。さらに、米ハワイ州で3日開かれた米インド太平洋軍の司令官交代式典にも、台湾軍首脳をひそかに招待していた。米軍は公表していなかったが、式典の写真に姿が見えたと台湾メディアで報じられた。
 米中両政府は意思疎通のための対話を重ねているが、台湾を巡る神経戦は続いている。バイデン米大統領は14日の演説で「われわれは台湾海峡の平和と安定のために立ち上がっている」と述べ、改めて中国に警戒感を示した。 

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