仏総選挙で第1回投票=極右の得票焦点 2024年06月30日 15時26分

フランスの極右野党・国民連合(RN)のルペン前党首=5月1日、南部ペルピニャン(AFP時事)
フランスの極右野党・国民連合(RN)のルペン前党首=5月1日、南部ペルピニャン(AFP時事)

 【パリ時事】フランスで30日、国民議会(下院、定数577)選挙の第1回投票が行われた。即日開票され、深夜(日本時間7月1日午前)にも大勢が判明する見通し。欧州連合(EU)欧州議会選に勝利して勢いに乗る極右野党・国民連合(RN)が議席をどこまで増やすかが焦点だが、多くの選挙区では決着を7月7日の第2回投票に持ち越しそうだ。
 選挙戦は極右、左派、中道による三つどもえの争いとなった。RNは移民排斥や治安改善、大規模減税を通じた生計向上を主張。マクロン中道政権への批判票の受け皿となったほか、中道右派・共和党の一部と選挙協力も実現させ、事前の世論調査で支持率は35~37%とトップだった。
 これに対し、急進左派野党「不屈のフランス」と社会党、共産党、環境政党は選挙連合「新人民戦線」を結成し、支持率27~30%で猛追する。最低賃金引き上げと富裕層・大企業増税を掲げ、若者や労働者に広く浸透。社会党のオランド前大統領(69)も極右の台頭を憂慮し出馬した。
 一方、マクロン大統領を支える与党連合は支持率20%前後で伸び悩み、下院第3勢力への後退が濃厚だ。定年延長の年金改革、富裕税廃止など、政権が過去7年間で取り組んだ政策は「金持ち優遇・庶民圧迫」と非難され、支持離れの主因となっている。
 世論調査専門家によると、3陣営の各候補が第2回投票に進出しそうな選挙区は最大250。第1回投票後は、左派と中道がこうした選挙区で「極右阻止」のため、候補1本化へ協力する動きが出てくるかが注目される。 

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