労働者階級出身の弁護士=キア・スターマー新首相―英総選挙 2024年07月05日 15時03分

5日、ロンドンで当選を喜ぶ英労働党のスターマー党首(AFP時事)
5日、ロンドンで当選を喜ぶ英労働党のスターマー党首(AFP時事)

 法曹界に長く身を置き、50歳を超えて政界入りした遅咲きだ。議員としては常に「野党」の立場だったが、「チェンジ(変革)」を掲げ総選挙で大勝。14年ぶりとなる労働党政権を率い、内外の課題に臨む。
 ロンドン南部で工具職人の父と看護師の母という労働者階級の家庭に、4人きょうだいの2番目として生まれた。両親共に労働党支持者で、名前はキア・ハーディ初代党首にちなんだとも言われる。
 母親が重病を患い厳しい生活の中、リーズ大で法学を学んだ後、オックスフォード大大学院で学位を取得。人権を専門とする法廷弁護士となった。多くの事件で弁護を無償で引き受け、「左派弁護士」のイメージが強いが、2008年には検察当局のトップに上り詰めている。
 10代で労働党に入党し、15年の選挙で下院議員に初当選。左派のコービン党首の下、「影の欧州連合(EU)離脱相」などを歴任し頭角を現す。19年の総選挙での惨敗を受けてコービン氏が辞任後、翌20年の党首選で勝利。中道路線への転換で党を再生に導いた。
 真面目な性格で派手なパフォーマンスをしないことから、「退屈」「カリスマ性がない」との評がつきまとう。サッカーのイングランド・プレミアリーグ、アーセナルの熱烈なファンとしても知られる。
 ビクトリア夫人との間に子供2人。61歳。 

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