ハリス氏、南部国境を訪問=「急所」の不法移民増で防戦―米大統領選 2024年09月28日 14時23分

27日、米西部アリゾナ州ダグラスの南部国境を訪れたハリス副大統領(ロイター時事)
27日、米西部アリゾナ州ダグラスの南部国境を訪れたハリス副大統領(ロイター時事)

 【ワシントン時事】ハリス米副大統領(59)は27日、南部国境に位置する西部アリゾナ州ダグラスを訪れた。メキシコ経由の不法移民が急増した問題に関し、「違法に国境を越えた者は逮捕され、強制送還される」と強調。政権の「急所」である不法移民問題に厳しく対処する姿勢を示し、防戦に努めた。
 国境訪問は大統領候補指名後、初めて。ハリス氏はトランプ前大統領(78)の反対により、国境警備強化を盛り込んだ超党派の移民対策法案が頓挫したと批判。11月の大統領選で勝利すれば同法案を復活させ、「政治を脇に置いて解決策を見つける」と述べた。
 税関・国境警備局(CBP)によると、南部国境の1カ月当たりの不法越境者は昨年12月、過去最多の約30万人に上った。その後バイデン大統領が受け入れ制限を発令し、足元では8月に約10万人と減少傾向にある。
 トランプ氏は「なぜもっと早く対策しなかったのか」と追及を強める。27日の演説では、同日明らかになった移民税関捜査局(ICE)の統計データに触れ、「越境してきた1万3000人の殺人犯が野放しになっている」と現政権の対応を批判した。
 ICEによると、殺人や暴行、違法薬物取引などの罪で有罪判決を受けた40万人超が米国内に不法滞在している。トランプ氏は諸外国が「犯罪者を米国に送り込んでいる」と主張し、就任当初は移民に寛容な姿勢を示したハリス氏への攻撃材料としている。 

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