台湾前総統、欧州歴訪開始=チェコで演説へ、中国は反発 2024年10月13日 15時08分
【台北、北京時事】台湾の蔡英文前総統はチェコをはじめとする欧州諸国への歴訪を開始した。12日の出発に当たり、自身のフェイスブックで「欧州の友人たちに、台湾の人々が民主主義と自由の信念を守ることを伝えに行く」と抱負を語った。
5月の総統退任後、蔡氏の外遊は初めて。8日間の欧州滞在中、チェコの首都プラハで開催される国際会議「フォーラム2000」で演説する。台湾メディアによると、総統経験者として初めてブリュッセルの欧州連合(EU)本部を訪れ、欧州議会議員と面会する予定。
蔡氏の欧州歴訪に対して、中国外務省の毛寧副報道局長は8日の記者会見で「中国と国交のある国を台湾独立分子が訪れることに断固反対する」と反発。訪問先の国に「いかなる形の便宜供与もしてはならない」とくぎを刺した。
欧州で台湾と正式な外交関係を結ぶ国はバチカンのみだが、チェコなどで民主主義や人権の価値観を重視し台湾に接近する動きが強まっている。今回の歴訪では、中国への過度な刺激を避けるため、蔡氏の詳細な訪問日程は明らかにされていない。