上振れへ 2025年09月08日 14時17分
野村証券シニア・ストラテジスト伊藤高志氏
日経平均株価は年末に向け上振れる方向だ。米国の日本に対する関税率が確定し、米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利下げが米景気を下支えする期待も高い。国内企業の業績も、今期は減益予想ながら来期は大幅増益の見通しだ。日経平均は年末までに4万5000円に上昇する可能性がある。
株価が上昇局面にある最大の理由は、関税率が固まったことに加え、米利下げ期待の高まりだ。さらに、企業の第1四半期決算を経て、アナリストは各社が今期の業績見通しを上方修正するとの見方に大きく傾いている。
今期はそれでも前期比7~8%台の減益になるとみられるが、減益要因がトランプ関税であることは明確で、国内に株価を押し下げる深刻な問題は見当たらない。よって、来期は関税の価格転嫁などにより大幅増益になるとの見方が強くなっており、これらも株価を押し上げる要因だ。