豪、ユーチューブも子供利用禁止=SNS規制で除外せず 2025年07月30日 14時07分

【シドニー時事】オーストラリア政府は30日、12月に施行する16歳未満のSNS利用禁止措置で、動画共有サイト「ユーチューブ」も対象に含める方針を決めた。教育に活用できるとして除外する姿勢を示していたが、子供が有害情報に触れるリスクなどを考慮し、方針転換した。
豪州は昨年11月、子供のSNS利用を禁止する法律を制定。違反した運営企業に最高4950万豪ドル(約48億円)の罰金を科すと定めている。
政府は当初、「子供、保護者、学校から頼りにされている教育情報源だ」としてユーチューブを除外する意向だったが、競合他社は公平な運用を求めていた。インターネット監視機関の電子安全委員会は6月、暴力や性搾取などの情報に接するリスクや依存性の強さを指摘し、ユーチューブも禁止するよう勧告。政府がこれを受け入れた。
アルバニージー首相は記者会見で「SNSは子供に社会的害悪を与えており、政府は子供を守る行動を取る」と強調。ユーチューブのほか、フェイスブック、インスタグラム、TikTok(ティックトック)、X(旧ツイッター)など主要SNSは総じて禁止対象になると説明した。
ユーチューブの運営企業は「ユーチューブは若年層に有益な情報を提供し、テレビで視聴されることもある」と反論。禁止措置に対し訴訟も辞さない構えを示している。