過激SNSでトランプ氏挑発=メドベージェフ前ロシア大統領 2025年08月02日 14時15分

ロシアのメドベージェフ前大統領(左)とトランプ米大統領(AFP時事)
ロシアのメドベージェフ前大統領(左)とトランプ米大統領(AFP時事)

 ロシアのメドベージェフ前大統領は、SNSでの過激な発言で知られ、最近ではトランプ米大統領を繰り返し挑発していた。反発したトランプ氏は原子力潜水艦2隻を派遣すると通告。インターネット上の「口論」が核大国同士の軍事的対立に至りかねない異例の事態に発展しており、1日のモスクワ株式市場は急落した。
 メドベージェフ氏は6月下旬、友好国イランの核施設を米国が空爆した際、「多くの国がイランに核兵器を供給する用意がある」と米国に警告。ロシアの核拡散防止条約(NPT)違反を容認するような投稿を行った。これに対してトランプ氏は、「核という言葉を軽々しく使ってはならない」と苦言を呈した。
 7月下旬、トランプ氏が対ロ制裁の前倒しに触れると、メドベージェフ氏は「寝ぼけた」バイデン前大統領と同じ道を歩むべきではないと軽口をたたき、前任者を嫌悪するトランプ氏をあおった。
 メドベージェフ氏は2012年に大統領を退任後、20年まで首相を務めたが、国民からの支持率は低く、現在務める安全保障会議副議長は「閑職」と見なされている。プーチン政権の公式見解を時に逸脱するSNS投稿は、ウクライナ侵攻に乗じた保守派の人気取りという見方が強い。 

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