タイ新首相、アヌティン氏有力=5日に下院で選出投票 2025年09月04日 05時23分

【バンコク時事】タイの下院(定数500)は3日、新首相選出のための議員投票を5日に行うと発表した。最大野党「国民党」の支持も取り付けた保守派の野党「タイの誇り党」のアヌティン党首が有力な首相候補となっている。
地元メディアによると、タクシン元首相派の最大与党「タイ貢献党」のプームタム暫定首相は下院解散を国王に申し立てたが、差し戻された。政府の法案を審査する法制委員会が「暫定首相の権限では解散できない」という見解を示したことなどが影響した。
下院の投票では過半数を獲得した候補が首相に選出される。誇り党の議席は69だが、143議席の国民党に加え、貢献党を含む一部与党議員らも支持に回り、アヌティン氏は過半数を得られる公算が大きい。
ただ国民党は野党にとどまるため、アヌティン氏が首相となっても少数与党による連立政権となる。国民党は所信表明演説から4カ月以内の下院解散と憲法改正のための国民投票を支持の条件としており、与党が約束を守らない場合などは政治が不安定化する可能性がある。