イスラエル、ハマス指導部狙い攻撃=カタール首都、停戦案協議中 2025年09月09日 22時39分

9日、カタールの首都ドーハでイスラエルの攻撃により損壊した建物(ロイター時事)
9日、カタールの首都ドーハでイスラエルの攻撃により損壊した建物(ロイター時事)

 【イスタンブール時事】中東の衛星テレビ局アルジャジーラによると、カタールの首都ドーハで9日、大きな爆発が起きた。イスラエル軍は同日、イスラム組織ハマスの指導部を狙った精密攻撃を行ったと発表。2023年10月のハマスによる奇襲に直接関与し、「イスラエルへの戦争を組織・管理してきた」と主張した。
 中東メディアは、ハマス側でパレスチナ自治区ガザの停戦協議を担当していた主要幹部のハリル・ハイヤ氏らが攻撃対象になったと伝えた。ロイター通信によれば、標的とされたハマス幹部らは全員殺害を免れたという。
 米ニュースサイト「アクシオス」によると、ハマス幹部らはトランプ米政権が最近示した新たな停戦案について協議するため、ドーハ市内で会合を開いていた。イスラエル首相府は「きょうのハマス幹部に対する行動は、イスラエルによる単独の作戦だ」と表明し、米国などの関与はなかったと強調した。
 カタール外務省報道官は声明で、イスラエルの攻撃はハマスの政治部門幹部数人がいる住宅を狙ったとして強く非難。「国際法に違反しており、この無謀な行動を看過しない」と批判した。カタールは米国やエジプトと共にハマスとイスラエルの仲介役を精力的に担ってきたが、攻撃によって今後の停戦交渉の行方に影響が及ぶ恐れもある。 

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