軍事費を開発分野に=再配分呼び掛け、国連が報告書 2025年09月10日 06時12分

【ニューヨーク時事】国連は9日、世界の軍事支出と持続可能な未来に関する報告書を発表した。軍事支出を再配分し、一部を開発分野に充てることで、持続可能な平和につながるとする内容で、グテレス事務総長は記者会見で「過剰な軍事費で平和は保証されない」と訴えた。
「私たちに必要な安全保障:持続可能で平和な未来のための軍事支出再配分」と題した報告書によると、世界の軍事費は増加を続け、2024年は2.7兆ドル(約398兆円)で過去最高額。このまま増加すれば、35年には6.6兆ドル(約973兆円)に上ると警告した。
報告書では、こうした軍事費の増大が健康、教育、貧困といった分野への投資を圧迫し、持続可能な開発目標(SDGs)の進捗(しんちょく)が大きく遅れている現状を指摘。昨年の軍事費の約10%で世界の極度の貧困を解消し、約4%以下で30年までに飢餓を根絶できると試算した。