メキシコ、中国車の関税50%に=米の懸念緩和狙いか 2025年09月12日 14時22分

【サンパウロ時事】メキシコ政府は、中国などから輸入する自動車の関税を50%に引き上げる方針だ。米国が自由貿易協定(FTA)を結ぶメキシコを経由して安価な中国製品が流入するのを警戒する中、米国との関税交渉を抱えるメキシコには、米側の懸念を緩和する狙いがあるとみられる。
メキシコのシェインバウム大統領は11日の記者会見で、今回の関税は自国の経済強化が目的であり、「紛争は望まない」と訴えた。関税引き上げの対象は中国や韓国などメキシコがFTAを締結していない国々。シェインバウム氏は対象国の大使に説明し、理解を求めていると語った。日本はメキシコと「経済連携協定(EPA)」を締結している。
メキシコ政府によれば、中国車の関税は現在20%。関税引き上げは自動車部品や繊維、鉄鋼などにも及び、輸入全体の8.6%となる。エブラルド経済相は、これらの製品は指標を下回る価格で輸入されているとし、世界貿易機関(WTO)で容認される範囲内で関税を引き上げることで、「約32万人の雇用を守る」と強調した。与党が過半数を占める議会の承認を経て実施される。