米、ガザ和平で20項目計画=ネタニヤフ氏支持、ハマス焦点―イスラエル軍撤収・暫定統治案 2025年09月30日 05時34分

29日、ホワイトハウスで共同記者発表を終え、握手するトランプ米大統領(右)とイスラエルのネタニヤフ首相(EPA時事)
29日、ホワイトハウスで共同記者発表を終え、握手するトランプ米大統領(右)とイスラエルのネタニヤフ首相(EPA時事)

 【ワシントン時事】トランプ米大統領は29日、イスラエルのネタニヤフ首相とホワイトハウスで会談し、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザでの和平実現に向け、トランプ政権がまとめた20項目の計画への支持を取り付けた。ハマス側の対応が焦点となる。
 計画は、即時停戦と引き換えにハマスが拘束する人質全員を解放することや、停戦後のイスラエル軍の段階的な撤収を明記した。戦後のガザ統治については、行政や復興を担う暫定委員会を新たに設立し、委員会を監督する「平和評議会」を立ち上げる。トップにはトランプ氏を据え、計画立案に関与してきたブレア元英首相をメンバーに起用する案が盛り込まれた。
 トランプ氏は会談後の共同記者発表で「和平に向けた歴史的な日だ」と強調し、ネタニヤフ氏に謝意を示した。合意が成立すれば、72時間以内に人質が解放されると説明し、「ハマスが計画を受け入れる時だ」と呼び掛けた。
 ネタニヤフ氏は「目標を達成し、ガザでの戦争を終わらせる計画を支持する」と述べ、ハマスの武装解除などを進める意向を明らかにした。一方、ハマスが拒否すれば、「イスラエルは一国でも任務を遂行する」とガザ攻撃を継続する考えを示し、トランプ氏も「全面的に支援する」と足並みをそろえた。
 AFP通信によると、停戦交渉を仲介するカタールとエジプトの高官は29日、ハマス側に20項目計画を提示。ハマス側が武装解除や戦後統治からの排除などを巡って反発する恐れもある。
 また、ネタニヤフ氏は会談後の30日、通信アプリ「テレグラム」に投稿した動画で「(イスラエル軍は)ガザの大部分にとどまる」と表明しており、部隊の撤収範囲を巡る火種は残ったままだ。 

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