和平案交渉「非常に困難」=停滞ならガザ攻撃継続―イスラエル元首相補佐官 2025年10月06日 15時33分

【カイロ時事】イスラエルのネタニヤフ首相の側近だったアミドロール元首相補佐官は5日、時事通信のオンライン取材で、トランプ米大統領が提案したパレスチナ自治区ガザの和平案を巡るイスラエルとイスラム組織ハマスの交渉は「非常に困難なものになる」という見通しを示した。ガザに連れ去られた人質の解放やハマスの武装解除が進まない場合、イスラエルは攻撃を続けると断じた。
ハマスは人質全員の解放には同意し、エジプトでの6日からの交渉で協議に応じる方針だが、武装解除については態度を明らかにしていない。アミドロール氏は、ハマスとしては人質を失った後、イスラエルが攻撃を激化させる「わな」ではないことを明確にする必要があり、警戒を解くのは容易でないと指摘する。
また武装解除は、対イスラエル武装闘争を続けてきたハマスが「存在しなくなることを意味する」として、徹底的に進めるべきだと述べた。和平案を支持するアラブ諸国も武装解除の必要性を認識していることから、イスラエルの攻撃が続いても「汚れ仕事」として容認するだろうと分析した。
2023年10月以降のガザ攻撃が苛烈さを増すにつれ、当初ハマスの奇襲を受けたイスラエルの自衛権を支持していた西側諸国は、批判的な姿勢に転じた。アミドロール氏は、イスラエルは「国際社会は必要な時に助けてくれない」という教訓を得たと強調。孤立志向を強め、あらゆる場面で先制攻撃を辞さない「一段と警戒心の強い国」に変貌したと説明した。
イスラエルはイランや親イラン勢力が活動するレバノン、イエメンでも軍事作戦を行った。ハマス幹部殺害をもくろみ、交渉仲介国のカタールにも空爆を加えた。アミドロール氏は「一線を越えれば、イスラエルはためらわず破壊的行為を行う」という警告を発したと語り、今後の抑止力強化になると正当化した。
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