仏首相、政局安定へ「最後の交渉」=大統領に辞任圧力 2025年10月07日 06時52分

フランスのマクロン大統領=3日、ドイツ南西部ザールブリュッケン(AFP時事)
フランスのマクロン大統領=3日、ドイツ南西部ザールブリュッケン(AFP時事)

 【パリ時事】フランスのマクロン大統領は、5日発足した内閣が翌6日に総辞職したことを受け、後任が決まるまで職務を続けるルコルニュ首相に対し、政局の安定に向けた「最後の交渉」を要請した。ルコルニュ氏は7日、2026年予算の成立を最優先課題として、各党との協議を開始。亀裂が生じた少数連立与党の立て直しを中心に新たな内閣樹立の可能性を模索し、結果を8日にマクロン氏に報告する。
 AFP通信によると、マクロン氏はルコルニュ氏が事態収拾に失敗した場合、自身が「責任を取る」用意があると周辺に語った。解散・総選挙の可能性を示唆したもようだが、マクロン氏は野党に加え、与党内からの辞任圧力に直面している。
 フィリップ元首相は7日、ラジオ番組でマクロン氏に勇退を勧告。「予算成立のための首相を任命して前倒し大統領選を実施すれば、名誉になるだろう」と主張した。
 アタル元首相も6日、マクロン氏の判断は「もはや理解できない」と強調。短命内閣を繰り返すのは困難だと訴えた。
 フランスでは新大統領の就任後に総選挙が行われ、下院でも大統領陣営が勝利するケースが多い。トップ交代は政治刷新の最大の機会だ。
 ただ、マクロン氏はこれまで、27年春までの2期目の任期を全うすると明言。総選挙に踏み切れば中道与党は議席を減らし、野党の左派と極右が一段と勢力を拡大する公算が大きい。このため「大統領が辞任や解散を検討しているかは疑問だ」(政治アナリスト)という見方もある。 

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フランスのルコルニュ首相=3日、パリ(AFP時事)
フランスのルコルニュ首相=3日、パリ(AFP時事)

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