中国首相、9~11日訪朝=16年ぶり、戦略連携誇示へ 2025年10月07日 11時23分

中国の李強首相=9月26日、ニューヨーク(EPA時事)
中国の李強首相=9月26日、ニューヨーク(EPA時事)

 【北京、ソウル時事】中国外務省は7日、李強首相が9~11日に北朝鮮を訪問し、朝鮮労働党創建80年の記念行事に出席すると発表した。朝鮮中央通信も伝えた。中国首相の訪朝は2009年の温家宝首相(当時)以来、16年ぶりとみられる。金正恩朝鮮労働党総書記と会談し、中朝の連携を誇示する見通しだ。
 中国外務省は、李氏の訪問に関して「(北朝鮮との)戦略的意思疎通や交流を強化し、両国の伝統的な友好関係を発展させていきたい」とコメントした。
 中朝関係は、北朝鮮の対ロシア傾斜などを背景にぎくしゃくしてきたが、9月上旬に正恩氏が約6年半ぶりの訪中を果たしたことを機に再び接近している。同月下旬には、北朝鮮の崔善姫外相が訪中し、中国側とのハイレベル交流の緊密化について協議した。
 北朝鮮を巡っては、トランプ米政権が対話再開に意欲的で、正恩氏も米側が北朝鮮の非核化を求めないのであれば、応じる姿勢を見せている。トランプ大統領と中国の習近平国家主席は、10月末から韓国・慶州で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて会談する方針だ。
 北朝鮮側としては、最大の後ろ盾である中国との連携を強固にした上で米国と対峙(たいじ)したい考え。中国側もまた、北朝鮮への影響力をアピールすることで、通商や安全保障を巡る対米交渉を優位に進めたい思惑がある。
 北朝鮮は10日の党創建記念日に合わせ、数万人規模の軍事パレードを行うとみられている。関連行事には、ベトナムなど友好国の首脳らが出席する。 

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