ノーベル賞受賞連絡気付かず=米博士、ハイキング中で「圏外」 2025年10月08日 06時45分

【ニューヨーク時事】坂口志文・大阪大特任教授らと共に2025年のノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった米国のフレデリック・ラムズデル博士は、米時間6日未明(日本時間同日午後)の受賞連絡をハイキング中で逃し、10時間以上受賞に気付かなかった。米ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)が7日伝えた。
ノーベル賞受賞について、ラムズデル氏は同紙に「一度も頭をよぎったことがなかった」と語った。山々を横断する3週間の旅行中で携帯電話は電波の入らない機内モードにしており、6日午後になってようやく米西部モンタナ州のキャンプ場で受賞を知った。
欧州との時差もあり、スウェーデンのカロリンスカ研究所の選考委員会のパールマン事務局長と連絡が取れたのは最初の電話から約20時間後だった。パールマン氏の16年の就任以来、「これほど連絡が取れなかった受賞者は初めて」という。
仕事外では電波の届かない生活を楽しみ、「可能な限りの時間を山の上で過ごす」と話すラムズデル氏。所属するバイオ企業は「彼は圏外の旅で最高の人生を楽しんでいる」とコメントしており、ワーク・ライフ・バランス実現の理想的な形と言えそうだ。