「トランプ氏に感謝」「神様ありがとう」=2年待った人質家族、喜びと安堵―イスラエル 2025年10月09日 14時17分

【カイロ時事】イスラエルとイスラム組織ハマスがパレスチナ自治区ガザの和平案の第1段階で合意し、約2年にわたりハマスに拘束されていた人質全員が近く解放される見通しとなった。最愛の人を待ち続けた人質の家族らからは、「(仲介した)トランプ米大統領は成し遂げてくれた」などと歓喜や安堵(あんど)の声が上がった。
イスラエルメディアによると、人質の家族らはビデオ声明を発表。「トランプ氏はたった今、われわれの愛する人々が自宅に帰ってくると発表した。生存者や死者も含め(ガザに残る)48人の人質の最後の一人が帰るまで、戦いをやめない。トランプさん、あなたの勇気に感謝します」とコメントした。
それぞれの家族もSNSで喜びを表した。人質の母親の一人は「故郷よ、故郷。ついに帰ってくる日がやってきた」と表明。元人質の男性はインスタグラムで「神様、ありがとう」と投稿。乾杯のためグラスを持ち上げる動画を付け加えた。
一方、息子のイタイさんを殺害され、遺体をハマスに留め置かれている父親のルビー・チェンさんは、トランプ氏らに謝意を示した上で、「イタイや他の人質が帰ってくるのか、いつなのか、少し心配している」と複雑な心境を吐露した。
これに先立ち、2023年10月のハマスの奇襲から2年となった7日、イスラエルの商都テルアビブでは、48人の人質の即時帰還を訴える大規模デモが開催され、報道によると3万人が参加。また、奇襲で数百人が殺害された事件現場では、家族らが黙とうをささげた。「2年たったのに、誰も助けられていない」との声も漏れていた。