ガザ合意、中東でも歓迎=ハマスへの働き掛け奏功 2025年10月09日 19時06分

【イスタンブール時事】イスラエルとイスラム組織ハマスがパレスチナ自治区ガザの和平案の第1段階で合意したことを受け、中東各国からは歓迎の声が相次いだ。2年前の戦闘開始後から停戦交渉を仲介してきたカタールとエジプトのほか、ハマスに影響力を持つトルコも米国と連携し、合意に至る最終局面で働き掛けを強めたことも奏功したとみられる。
トルコのエルドアン大統領は9日、X(旧ツイッター)を通じ「イスラエルが停戦に合意するため必要な政治的意志を示した」とトランプ米大統領を称賛。仲介したカタールやエジプトにも謝意を示した上で、「合意の厳密な履行を監視していく」と強調した。
イスラエルのメディアは、アラブ外交筋の話として、カタールとエジプトに加え、トルコが交渉に積極的に関与した影響が大きいと報道。エルドアン氏は、トランプ氏から自身の和平案に応じるようハマスへの説得を要請され、「最も適切な方法をハマスに説明している」と明かしていた。
エジプトのシシ大統領はXに「世界は平和への意志が勝利する歴史的瞬間を目撃している」と投稿。サウジアラビアは外務省声明で「この重要な一歩がガザの人道的苦痛を緩和し、イスラエル軍の完全撤退につながるよう期待する」と強調した。ヨルダンのサファディ外相は「合意の完全履行や戦闘終結に取り組む必要性」を訴えた。
パレスチナ通信によると、パレスチナ自治政府のアッバス議長も9日、トランプ氏や仲介国の「甚大な努力」を評価。「イスラエルの占領終結とパレスチナ独立国家の樹立につながる序章になるよう望む」と表明した。