中国は作戦能力蓄積=「グレーゾーン攻撃」常態化―台湾国防部 2025年10月09日 18時35分

9日、台北の台湾国防部(国防省)で記者会見する孫立方報道官
9日、台北の台湾国防部(国防省)で記者会見する孫立方報道官

 【台北時事】台湾国防部(国防省)は9日に発表した2025年版「国防報告書」で、中国が「台湾への威嚇を強め、作戦能力を蓄えている」と危機感を示した。報告書は2年に1回作成しており、昨年発足した頼清徳政権では初めて。
 報告書は、中国が軍隊の現代化を加速し、新型装備の研究、製造、配備を進めていると指摘。直接の武力衝突に至らない「グレーゾーン攻撃」も常態化し、海警船やドローンの台湾海空域への接近が増加していると記した。
 また、中国軍のドローンを地上から撃墜するための訓練を台湾軍が離島で行っていることも紹介した。国防部の孫立方報道官は9日の記者会見で「ドローンの発展は非常に速い。有効なドローン反撃システムは重点の一つだ」と述べた。
 台湾軍もドローンや水中無人艇など比較的安価で機動的な「非対称戦力」の拡充を急ぐ。顧立雄国防部長(国防相)は報告書の中で、台湾は防衛予算を拡大し、新型兵器の配備を進めていると説明。備えを固めれば「敵は軽率に戦端を開けなくなる」と強調した。 

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