長蛇の列、喜びの帰還=停戦発効でガザ住民 2025年10月10日 19時38分

10日、パレスチナ自治区ガザ中部で、停戦の発効を受けて長蛇の列をつくる人々(ロイター時事)
10日、パレスチナ自治区ガザ中部で、停戦の発効を受けて長蛇の列をつくる人々(ロイター時事)

 【カイロ時事】イスラエルとイスラム組織ハマスが合意した停戦の発効を受け、パレスチナ自治区ガザでは10日、避難を強いられていた住民が自宅に戻ろうと長蛇の列をつくった。爆撃の止まった道を徒歩や自転車、車などで途切れることなく移動。時折クラクションを鳴らしたり、口笛を吹いたりしながら、喜びを爆発させた。
 中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、ガザ中部の海岸線沿いの道が、帰還を急ぐ住民で埋め尽くされているもようを中継した。中部ヌセイラトでインタビューに答えた男性は「家に戻る。破壊され、がれきになっているのは知っているが、テントを張る。停戦が続くことを願う」と強調。「この喜びは言葉で言い尽くせない」と興奮した様子で繰り返した。
 時事通信の電話取材に応じたファドル・ヤヒヤさん(36)によると、現地時間正午ごろにイスラエル軍の攻撃がやんだ。ヤヒヤさんは「神に感謝する。殺りくと破壊が止まった」と歓迎。不動産業に携わってきた経験を生かし「家の再建を助けたい」と力を込めた。元校長の女性(62)も「うれしい。流血が止まった」と述べ、子どもたちへの支援に当たりたいと希望を語った。 

海外経済ニュース