「米の対外援助削減、日本は好機」=ODA維持・増額を提言―NGO 2025年10月10日 20時12分

記者会見する米NGO「ピース・ウィンズ・アメリカ(PWA)」のジェームス・ギャノン代表=10日、東京都千代田区
記者会見する米NGO「ピース・ウィンズ・アメリカ(PWA)」のジェームス・ギャノン代表=10日、東京都千代田区

 人道支援などを行う米NGO「ピース・ウィンズ・アメリカ(PWA)」のジェームス・ギャノン代表らは10日、東京都内で記者会見し、トランプ米政権が対外援助を削減する中、「日本は政府開発援助(ODA)を維持・増額すれば、国際社会での指導力を発揮できる好機になる」と訴えた。
 米国は近年、世界のODA総額の約2割を支出してきたが、トランプ大統領は1月の就任以降、対外援助機関である国際開発局(USAID)を事実上解体。食料や保健分野で支援を受けてきたアフリカなどの途上国に大きな打撃を与えている。
 ギャノン氏はこの日、PWAと米日財団が共同作成した「米国の対外援助削減が日米協力に与える影響」に関する報告書を発表。報告書は、米国の人道支援プログラムが崩壊したことで、協力関係にあった日本のODAも厳しい試練に直面すると指摘している。
 ギャノン氏は「中国が特にアジアで(米国が撤退した)空白を埋めようとしている」とも警告した。 

海外経済ニュース