仏大統領、ルコルニュ氏を首相再任=不信任回避なるか不明 2025年10月11日 05時34分

【パリ時事】フランスのマクロン大統領は10日、少数与党の内閣総辞職に伴い6日に首相を辞任したルコルニュ氏(39)を再任し、組閣を指示した。新内閣は2026年予算案を期限の13日に議会提出する見込み。ただ、辞任4日後の再任という異例の事態に「茶番だ」といった反発が広がっており、下院の不信任回避が可能かは不明だ。
ルコルニュ氏は予算を年内に成立させる任務を「義務として受け入れ、成功のため何でもする」とSNSに投稿。「政治危機に終止符を打たねばならない」と強調した。
昨夏の総選挙後、下院では与党が左派、極右と対立。どの勢力も過半数に届かず、政局の混迷が長期化している。
ルコルニュ氏は今年9月、当時のバイル内閣の総辞職を受けて首相に就任。今月5日に新内閣を発足させたが、マクロン氏の中道連合と連立与党を組む保守・共和党が組閣人事に反発し、翌6日に退陣に追い込まれた。
その後、ルコルニュ氏は事態収拾に向けて各党と折衝。「下院の過半数が解散・総選挙を拒否し、予算成立を望んでいる」との感触をつかんだ。これを受け、マクロン氏が10日に与野党幹部と打開策を協議していた。