トランプ氏は平和に尽力=「ノーベル賞委の権威失墜」―プーチン氏 2025年10月11日 14時11分

ロシアのプーチン大統領=10日、タジキスタンの首都ドゥシャンベ(EPA時事)
ロシアのプーチン大統領=10日、タジキスタンの首都ドゥシャンベ(EPA時事)

 ロシアのプーチン大統領は10日、同日発表のノーベル平和賞を切望していたトランプ米大統領について「同賞に値したかどうか私には判断できないが、彼は(幾つもの)複雑かつ数十年間にわたる危機の解決に尽力している」と持ち上げた。訪問先のタジキスタンで記者会見した。
 発言は、ロシアが侵攻するウクライナやパレスチナ自治区ガザの和平を巡り、トランプ氏の外交努力を評価したもの。停戦に応じないプーチン氏に不満を隠さなくなったトランプ氏に対し、融和姿勢に戻るよう促す狙いがありそうだ。
 プーチン氏は「平和のために何も貢献していない人々に授賞したケースもあった」と述べ、ノルウェーのノーベル賞委員会の権威は失墜したと主張した。トランプ氏が「何もしていないのにオバマ(元米大統領)に賞を与えた」と委員会を批判したことが念頭にあるとみられる。
 トランプ氏はこの記者会見の動画を自身のSNSに掲載した上で「プーチン大統領よ、ありがとう」と記した。
 米政治専門メディアのポリティコ欧州版は、ウクライナのゼレンスキー大統領が9月にニューヨークで会談したトランプ氏に「(米国製巡航ミサイル)トマホークを供与してロシアに圧力をかけ、停戦を後押しすれば、平和賞に推薦する」と訴えていたと報じた。プーチン氏は会見で「愚かだ」とゼレンスキー政権を批判した。 

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