軍が権力掌握、暫定統治へ=マダガスカルでクーデター 2025年10月15日 06時46分

【ロンドン時事】東アフリカ沖の島国マダガスカルの軍指導部は14日、国家権力の掌握と軍などによる暫定統治を宣言した。ロイター通信などが報じた。反政府デモの激化を受けてラジョエリナ大統領が国外に逃亡し、クーデターの可能性が伝えられていた。議会は同日、大統領弾劾案を可決した。
国軍の精鋭組織を率いるランドリアニリナ大佐は国営ラジオで「われわれが権力を得た」と述べ、議会を除く全ての国家機関の機能停止を発表。軍や警察などで構成する政府委員会が最大2年、暫定政府と共に国を統治し、その後に民政に向けて選挙を行う計画という。
ラジョエリナ氏は2009年、軍の支援を受けた事実上のクーデターで大統領に就いた。一時権力の座を離れた後、18年大統領選で勝利し、23年大統領選も制した。しかし、政権内の汚職のほか、水・電力不足の深刻化に国民の不満が増大。今年9月下旬から若者を中心に反政府デモが広がり、同氏へ辞任圧力が強まった。