排外主義は「全く無用だ」=援助削減にも懸念―国連難民高等弁務官 2025年10月15日 22時02分

来日したグランディ国連難民高等弁務官は15日、東京都内の日本記者クラブで記者会見し、日本を含む主要国で政治家が外国人に対する排外主義をあおっているのは「全く無用だ」と批判した。移民や難民問題の解決にはつながらず、事態を複雑化させていると強調した。
外国人を巡っては、日本でも受け入れの規制を求める風潮が高まっている。グランディ氏は、「他者に対する敵意は常に存在している。それに対抗するのが政治家の役目なのに、残念なことに排外主義をあおる側に回っている」と指摘した。
一方、「日本の難民に対する制度の運用は進展している」と述べ、ロシアの侵攻を受けるウクライナ人を「避難民」として受け入れていると評価した。経済的な移民は帰国しなければならないが、保護を求める難民が日本に長く滞在できるような制度を共につくり上げていきたいと語った。
また、トランプ米政権や日本など各国が対外援助を削減していることにも触れて、「戦略的な誤りだ」と警告。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)などが「今までにこれほど大きな財政的な制約に直面したことはなく、2025年は壊滅的だ」と懸念を示した。