与党金氏が核武装論=野党李氏「北朝鮮と平和共存」―韓国大統領選 2025年05月28日 18時13分

韓国大統領選の保守系与党「国民の力」候補の金文洙前雇用労働相(右)と革新系最大野党「共に民主党」候補の李在明前代表=23日、ソウル(AFP時事)
韓国大統領選の保守系与党「国民の力」候補の金文洙前雇用労働相(右)と革新系最大野党「共に民主党」候補の李在明前代表=23日、ソウル(AFP時事)

 【ソウル時事】27日に行われた韓国大統領選(6月3日投開票)前の最後のテレビ討論会では、北朝鮮への対応を巡り、韓国の「核武装」が論点になった。保守系与党「国民の力」の金文洙前雇用労働相(73)は、米韓同盟の枠内での核武装を主張。一方、革新系最大野党「共に民主党」の李在明前代表(60)は否定的な立場で、北朝鮮との平和共存を目指す姿勢を示した。
 北朝鮮が核・ミサイル能力を向上させる中、韓国世論には核武装への賛成が多い。トランプ米政権の発足により、米国が核を含む戦力で同盟国を守る「拡大抑止」への疑念もくすぶる。ただ、現実には韓国の核武装のハードルは高く、持論としてきた金氏も「慎重に韓米同盟を維持する範囲内でしなければならない」と説明した。
 金氏は、具体策として米国との「核共有」や原子力潜水艦の保有を挙げた。さらに、使用済み核燃料の再処理やウラン濃縮の技術を高め、有事に核兵器を開発できるようにする潜在的核能力の確保を提示した。
 これに対し李氏は「米国は核共有をしないというのが原則的な立場だ。実行可能なのか」と追及。金氏は、北大西洋条約機構(NATO)として米国の核兵器を保管・運用する方式を例示しつつ「多様な方式があり、米国との首脳会談で信頼を構築すれば可能だ」と反論した。
 李氏は「戦術核を韓国に再配備すれば北朝鮮に非核化を要求できない」と主張。「韓国の強力な軍事力と韓米同盟を持ちつつ、北朝鮮との対話を通じて平和と共存の道を探すべきだ」と訴えた。 

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