李在明政権が始動=初閣議、景気対策急ぐ―韓国 2025年06月05日 18時56分

初閣議に臨む韓国の李在明大統領(手前中央)=5日、ソウル(EPA時事)
初閣議に臨む韓国の李在明大統領(手前中央)=5日、ソウル(EPA時事)

 【ソウル時事】韓国の李在明大統領は5日、初閣議を開き、経済対策を協議した。低迷する景気の回復を最優先課題と位置付け、国民生活への緊急支援策を早急に打ち出す方針だ。出席者はほとんどが尹錫悦前大統領が任命した閣僚だった。李氏は「国民が苦しい状況だ」と指摘。「気まずいかもしれないが、最善を尽くしてほしい」と指示した。
 韓国銀行(中央銀行)は今年の国内総生産(GDP)成長率が0.8%にとどまると予想しており、景気低迷は深刻だ。李氏は選挙戦中、30兆ウォン(約3兆円)規模の補正予算で景気浮揚を図る考えを示していた。
 李氏は4日の就任直後に経済閣僚らを集めて「緊急経済点検タスクフォース」会合を開き、景気対策やトランプ米政権の関税措置見直しを巡る交渉に関して議論。出席者から、補正予算編成に向けた財政余力や景気浮揚の効果について確認した。
 一方、大統領府は5日、尹政権下に同府で勤務していた職員に業務復帰を指示し、大部分が元の職場に戻ったと明らかにした。前政権は大統領府に派遣されていた各省庁の職員を古巣に戻しており、李氏は4日、「まるで墓のようだ。誰もおらず、筆記用具を提供してくれる職員もいない。コンピューターもプリンターもない」と当惑していた。革新系与党「共に民主党」幹部は、「政権引き継ぎをせず、新政権の発足を妨害した」と批判している。
 通常は新政権発足まで約2カ月間の引き継ぎ期間があるが、今回は尹氏の罷免を受けた大統領選のため、選挙翌日の4日に李政権が立ち上がった。李氏は自身の側近である金民錫氏を既に首相候補に指名しており、組閣を急ぐ。 

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