トランプ関税、影響緩和は可能=日本のコメ増産評価―IFAD総裁 2025年09月25日 14時52分

インタビューに答える国際農業開発基金(IFAD)のアルバロ・ラリオ総裁=23日、ニューヨーク
インタビューに答える国際農業開発基金(IFAD)のアルバロ・ラリオ総裁=23日、ニューヨーク

 【ニューヨーク時事】国際農業開発基金(IFAD)のアルバロ・ラリオ総裁は24日までに時事通信のインタビューに応じ、トランプ米大統領の高関税政策が食料サプライチェーン(供給網)に与える影響について、「ショックをいくらか和らげる方法はある」との見解を示した。途上国支援が影響軽減につながると強調。一方、日本政府が高止まりするコメ価格を引き下げるために打ち出した増産方針を評価した。
 IFADなどが今年5月に公表した飢餓に関する報告書は、関税に端を発した通商摩擦などで世界的な食料の価格高騰を招き得ると警鐘を鳴らした。ラリオ氏は貿易政策の不透明感に加え、気候変動も相まって「供給網に大変な影響を与えるだろう」と懸念。生産分野などへの投資支援を通じ、雇用創出や所得向上を図ると述べた。
 ロシアのウクライナ侵攻後、穀物供給が混乱に見舞われたことを教訓に、アフリカ諸国では「食料安全保障を国家安保と捉える」動きも広がり、食料自給の強化に向けた投資が進んだと指摘した。
 日本国内では米価高騰に歯止めがかからず、コメ政策は政治問題に発展した。これを受けて日本政府が事実上の減反政策を見直し、増産にかじを切った。供給過多による農家への悪影響を憂慮する声もある中、ラリオ氏は「政府は速やかに対策を打った」と評し、「一時的に価格は下がるだろう」と予想した。 

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