頭の重い展開に
伊藤忠総研マクロ経済センター長・宮嵜浩氏 2025年08月07日 14時46分
株式相場は先行き、頭の重い展開になりそうだ。日経平均株価は7~9月がピークとみており、当面、7月に付けた高値を大きく超えることは考えにくい。
米国と各国との関税交渉合意を受けた買いは一巡した。新たに半導体や医薬品などで高い税率が提示されており、日本では自動車関税の行方が不透明要因として残る。再びトランプ関税が悪材料視される局面に戻りつつある気がする。加えて、米国では、景気に下押し圧力がかかっていることが雇用統計などのデータで確認されている。米国の景気鈍化は円高圧力にもつながる。
足元の企業業績は、外需の不振を価格転嫁を進めやすい内需が支えている状況だ。設備投資関連も底堅さを見せている。ただ、日本株が「世界の景気敏感株」であることを踏まえると、最終的には米経済の停滞や為替の円高による下押し圧力が内需の底堅さに勝ることになりそうだ。