ネガティブ材料に注意
ニッセイ基礎研究所主任研究員・前山裕亮氏 2025年08月08日 14時39分
日本株は東証株価指数(TOPIX)が最高値を更新するなど高値圏にある。ネガティブな材料には反応しやすい状況で、注意すべきだろう。
悪材料になり得るものの一つが米国の景気だ。雇用統計が下振れしたように、今後も景気の減速を示す指標が出てくるのではないか。同時に、物価の伸びが加速するなどしたら、市場の期待通りの利下げが実施されないかもしれない。こうしたことから米国株がいったん調整に入った場合には、日本株も連れ安になるリスクがある。日経平均株価は3万7000円程度まで下落する可能性がある。
米関税政策が日本企業の業績に与える影響にも警戒する必要がある。新たな関税分を価格に転嫁した場合には販売数量が減るリスクがあるし、反対に値上げを見送れば利益が減少するだろう。その影響が見えてくるのは、秋の中間決算の発表時になると考えている。