「イスラエルは一線越えず」=米高官、ラファ作戦擁護姿勢 2024年05月29日 15時35分
【カイロ時事】パレスチナ自治区ガザ最南部ラファで軍事作戦を続けるイスラエル軍について、カービー米大統領補佐官(広報担当)は28日、「多数の死者を出すなど大きな被害を生じさせる大規模作戦は、まだ目にしていない」と述べた。作戦が依然として限定的なものにとどまり、米政府が対イスラエル政策の変更が必要と考える一線を越えていないとの認識を示した。
米国務省のミラー報道官も、先に北部ガザ市などに投入された旅団の数と比べれば、ラファでの作戦は限定的だとの見方を示した。
民間人の犠牲増を懸念するバイデン米大統領は8日、ラファへの本格侵攻が実施されれば「(イスラエルに)武器を供与しない」と明言。イスラエルのネタニヤフ首相は「単独でも戦う」と反発し、両国関係がぎくしゃくした。
イスラム組織ハマスの壊滅を目指すイスラエルは26日、ラファの避難民が集まる地区を空爆し、45人が死亡。国際社会で「作戦を停止すべきだ」(フランスのマクロン大統領)などと批判が高まった。一方、米高官からは作戦を事実上擁護する発言が相次いでいる。既にラファから約100万人の避難民らが域外へ脱出していることも、米国の判断に影響した可能性がある。