ガザ停戦意欲も早期実現困難か=イスラエルに国務長官派遣へ―米大統領 2024年10月18日 15時15分

17日、ベルリン郊外の空港に到着したバイデン米大統領(AFP時事)
17日、ベルリン郊外の空港に到着したバイデン米大統領(AFP時事)

 【ワシントン時事】バイデン米政権は、パレスチナのイスラム組織ハマスの最高指導者シンワル氏の殺害を受け、イスラエルとハマスが戦闘を続けるパレスチナ自治区ガザでの停戦実現を再び目指す構えだ。だが、イスラエルのネタニヤフ首相は戦闘を継続する考えを表明。早期実現は困難な状況だ。
 「ガザの停戦に向け、前に進むべき時だと伝えた」。バイデン大統領は17日夜、訪問先のドイツの空港に到着後、記者団にネタニヤフ氏と電話で話したことを明らかにした上でこう語った。また、ブリンケン国務長官を数日以内にイスラエルに派遣すると発表した。
 米国が主導し、カタールやエジプトと共に仲介して進めたガザの停戦交渉は、イスラエルとハマス双方が譲歩せず、頓挫したまま。バイデン氏が11月5日の米大統領選から撤退したことで政権はレームダック(死に体)化が進行。ネタニヤフ氏との関係も冷却化したとされ、バイデン氏に交渉を進める影響力は残されていないのが現状だ。
 しかし、ハマス内で戦闘継続の強硬派だったシンワル氏が排除されたことで、バイデン政権内にはガザ情勢が新たな局面を迎えたとの受け止めが広がる。サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)はドイツに向かう大統領専用機内で記者団に対し、「(ハマスが拘束した)人質の解放を確実にする好機をつかみたい」と語る。
 バイデン政権がガザ停戦や人質解放に少しでも近づくことができれば、大統領選でトランプ前大統領との接戦が見込まれるハリス副大統領には追い風となる。停戦の見通しについて記者団から問われたバイデン氏は「これまでより希望を感じている」と語った。 

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