軍とデモ隊、暫定政権発足へ協議=市街地に衝突の爪痕―ネパール 2025年09月10日 18時29分

10日、ネパールの首都カトマンズの議会前で警戒に当たる兵士(EPA時事)
10日、ネパールの首都カトマンズの議会前で警戒に当たる兵士(EPA時事)

 【ニューデリー時事】ネパール政府のSNS規制を発端とした大規模デモによりオリ首相が辞任したことを受け、軍とデモ隊は暫定政権の発足に向け協議を始めた。軍関係者が10日、明らかにした。ポーデル大統領もデモ隊に対話を呼び掛けている。
 閉鎖されていた首都カトマンズの国際空港は同日運航を再開した。軍が治安維持のためカトマンズをはじめとする主要都市に展開し、デモ隊を排除。市街地は落ち着きを取り戻しつつあるが、衝突による深い爪痕も残っている。暴徒化したデモ隊によって議会や行政庁舎が放火され、ホテルや商店から物品が奪われた。地元報道によると、放火や略奪の容疑で27人が逮捕された。
 デモ激化でカナル元首相の妻が自宅を放火され死亡した。襲撃を受けて負傷したデウバ元首相とされる人物の動画も拡散しており、政界関係者が標的となった可能性がある。警察によると、これまで全土でデモ参加者22人、警官3人が死亡した。 

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