FRB理事解任を差し止め=「正当な理由」ない―米裁判所 2025年09月10日 14時56分

米連邦準備制度理事会(FRB)のクック理事=2023年6月、ワシントン(AFP時事)
米連邦準備制度理事会(FRB)のクック理事=2023年6月、ワシントン(AFP時事)

 【ワシントン時事】クック米連邦準備制度理事会(FRB)理事が、トランプ大統領による解任通告は違法だとして訴えた裁判で、ワシントンの裁判所は9日、トランプ氏によるクック氏解任には「正当な理由」がないと判断した。その上で、クック氏解任の差し止めを命じた。
 トランプ氏によるクック氏解任通告で、金融政策運営の信認が損なわれかねないとの懸念が高まっていた。来週16、17両日にFRBの金融政策を協議する連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、FRBの独立性はとりあえず認められた。ただ、トランプ氏が今後上訴し、最高裁まで争われる公算が大きいとみられる。
 FRBの設置法である連邦準備法では、大統領は「正当な理由」がある場合のみ、理事を解任できる。トランプ氏はクック氏が理事就任前に、住宅ローンで優遇的な条件の適用を受けるため、ローン申請書類で不正を行ったと主張し、SNSで解任通告を公表した。
 判事は「正当な理由」について、理事就任前の行動による解任は意図されていないと指摘。また、クック氏に弁明の機会が与えられなかったことも問題視した。 

海外経済ニュース