25歳以下の捕虜交換=信頼醸成進まず―ロシア・ウクライナ 2025年06月09日 13時59分

ウクライナのゼレンスキー大統領=4日、キーウ(EPA時事)
ウクライナのゼレンスキー大統領=4日、キーウ(EPA時事)

 ロシアのウクライナ侵攻を巡る両国の直接協議での合意に基づき、25歳以下の捕虜交換が9日、実施された。ロシア国防省が発表した。人数は明らかにしていない。ウクライナ側によると、近く重傷者の捕虜が帰還する見通しだ。
 捕虜交換は7、8両日にも始まるとされていた。両国は互いに和平案を提示しているが、立場の隔たりが大きく停戦に向けた信頼醸成は進んでいない。
 両国は5月、3年ぶりに直接協議を再開。6月2日に重傷者や25歳以下の捕虜交換と、6000人ずつの兵士の遺体返還で合意した。ウクライナのゼレンスキー大統領は、7、8両日にまず500人ずつ捕虜を交換するとロシア側から連絡があったと説明していた。
 ところが、ロシア代表団トップのメジンスキー大統領補佐官は「6日に合意履行に着手した」と述べつつ、捕虜ではなく遺体を先に送ったと表明。その上で「ウクライナ側は受け取り場所に現れなかった」と一方的に非難した。相手が不誠実だと、国際社会に宣伝する狙いがあるとみられる。
 一方、ゼレンスキー氏は8日、ロシアが交換する捕虜の完全な名簿を渡さなかったと主張。ロシア側のウクライナ批判について、ビデオ演説で「相変わらず汚い情報戦を仕掛けてくる」と反発した。(時事)。 

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