トランプ米大統領、G7途中で帰国へ=中東情勢への対応で 2025年06月17日 08時44分

【カナナスキス時事】トランプ米大統領は16日、先進7カ国首脳会議(G7サミット)を途中退席し、同日中に帰国する。レビット大統領報道官が明らかにした。レビット氏によると、トランプ氏はイスラエルとイランの交戦が激化している中東情勢に対応する。
トランプ氏はG7首脳の集合写真の撮影の際、記者団に「みんなも私と同じ(中東の)状況を見ていると思う。できるだけ早く戻らねばならない」と説明した。G7サミットについては「多くの成果があった」と述べた。
議長国カナダのカーニー首相は、トランプ氏の途中退席について聞かれて「十分に理解している」と応じた。各国首脳は17日の最終日にウクライナ情勢などを討議することになっていた。
英BBCテレビによると、フランスのマクロン大統領は、トランプ氏の離脱は「中東の停戦という目標を考えると、前向きな動きだ」との見解を示した。トランプ氏はこれに先立ち、自身のSNSで「イランは核兵器を持つことはできない。何度も言ってきた。誰もが直ちにテヘランから避難すべきだ」と呼び掛けていた。
G7サミットは16日、イスラエルとイランに自制を求める共同声明を発表した。米メディアによると、トランプ氏は当初、声明への署名を見送る方針を示し、調整に難航していた。
トランプ氏は16日、カーニー首相と会談。冒頭取材でイスラエルとイランの交戦激化への対応について問われ、「(イランは)話し合いたいと考えているが、それは事前にすべきだった」と指摘。イランは核問題を巡る米国との交渉で「合意を成立させる必要がある」と改めて主張した。
戦況については「双方にとって苦しい状況だが、イランが勝利に向かっているとは思わない」と語っていた。