中国、中央アジアと結束誇示=G7に対抗し「恒久友好」条約 2025年06月17日 20時14分

【北京時事】カザフスタンの首都アスタナで17日、「中国・中央アジア首脳会議(サミット)」が行われた。中国の習近平国家主席のほか、カザフ、キルギス、ウズベキスタン、タジキスタン、トルクメニスタンの5カ国首脳が出席。中国国営新華社通信によると、両地域の「恒久的な善隣友好」をうたう協力条約に署名した。
習政権は、かねて先進7カ国首脳会議(G7サミット)を「冷戦思考の小サークル」(外務省報道官)と批判してきた。同時期にカナダで開催されたG7サミットに対抗し、「信頼できる大国」としての中国を演出したい考えだ。
習氏は演説で、トランプ米政権を念頭に「関税戦争や貿易戦争に勝者はなく、一国主義と保護主義は自他共に傷つける」と主張。巨大経済圏構想「一帯一路」や貿易・投資分野などでの結束を呼び掛け、年内に中央アジア諸国に15億元(約300億円)の無償援助を提供すると表明した。
習氏は16日にカザフ入りし、17日までに5カ国首脳と個別に会談。ウズベキスタンのミルジヨエフ大統領との会談では、イスラエルとイランの武力衝突について意見交換した。習氏は「中東の平和と安定を取り戻すために建設的な役割を果たしたい」と強調した。