タリバンが帰国者迫害=女性や民主政権関係者ら―国連 2025年07月25日 05時14分

【ニューデリー時事】国連アフガニスタン支援団(UNAMA)はアフガンへの帰国を強いられた人々がイスラム主義組織タリバン暫定政権によって拷問や恣意(しい)的な拘束を含む人権侵害にさらされていると訴えた。24日に報告書を公表した。
長年にわたり内戦や政情不安が続いたアフガンでは、多くの人々が主に隣国のパキスタンやイランに逃れて暮らしていた。しかし2023年以降、両国が滞在許可を持たないアフガン人の取り締まりを強化するなどし、強制送還を含め計300万人以上が母国に戻ったとされている。
UNAMAは帰国者49人への聞き取りに基づき、女性や21年に崩壊した民主政権の関係者、メディア関係者らが特に人権侵害の危険にさらされていると指摘。ターク国連人権高等弁務官は「身元や来歴に基づく迫害の危険がある国に誰であれ送られるべきではない」と訴えた。
暫定政権は報告書を受け、全ての帰還者は「恩赦」を受ける資格があると主張。「UNAMAはプロパガンダを拡散して国民の間に不安を広めるべきではない」と反発した。